日本語の文法

授業のためにまとめたノート

日本語の文法

はじめに

日本語の文法は英語と違ってかなり複雑で難しい。学者の間でも意見が割れている。肝要なのは、自然言語において文法なんて後付けにすぎないということ。

(これはぼくの意見だが、「誤用」なんていうのも本当は存在しない。自然言語の目的は「伝わること」なので、みんなで「誤用」してたらそれは「誤用」ではない。そもそも言語の進化・変化は誤用の連続によるもの。でなかったらいまだにぼくらは古文を書かなきゃいけないの?)


だから自然言語という。だからそんなに頑なになったり、縛られることは全くない。ただ、文法というひとつの「視点」があると、日本語に接するときの引き出しが増えるよって話。

まあ覚えなきゃいけないところはいうので、そこだけ暗記しましょう。メリハリつけて。

①動詞

活用表

・ない、う、ます、た、○、とき、ば、○。
・例:走る、見る、食べる、来る、する

活用の分類

正格活用と変格活用に分かれる。

正格活用:五段活用、上一段活用、下一段活用
 ▷一般的な活用。いろいろな動詞がある。

変格活用:カ行変格活用、サ行変格活用
 ▷カ行変格活用の動詞は「来る」のみ。
  サ行変格活用の動詞は「する」、「〜する」のみ。

正格活用の見分け方

「ない」を後ろにつける。
走る:走ない → 五段活用
起きる:起ない → 上一段活用
止める:止ない → 上一段活用

音便

発音しやすいように活用が変化したもの。五段活用の連用形で起こる。

イ音便

た → 泳

促音便

た → 走

撥音便

た → 読

自動詞と他動詞

主語に作用するものを自動詞、目的語に作用するものを他動詞という。
例:店が閉じる(自動詞)⇔店を閉じる(他動詞)

「店を閉じる」は主語が省略されている。また「店が閉じる」のような自動詞を述語とする文では、目的語は存在しない(なぜなら、目的語=主語だから)。

自動詞の他動詞化

自動詞に使役の助動詞「せる・させる」を付ければ、他動詞化することができる。

例:続く+せる = 続かせる

これを慣用的に1単語にまとめることがある。

例:続かせる → 続ける
  上がらせる → 上げる
  落ちらせる → 落とす

可能動詞

動詞に可能の助動詞「れる・られる」を付けること自体は、通常の用法である。

例:書く+れる → 書かれる

これを寛容的に1単語にまとめることがあり、これを可能動詞とよぶ。

例:書かれる → 書ける
  持たれる → 持てる
  残される → 残せる


このように可能動詞をつくれるのは五段活用の動詞のみである。そして可能動詞となると動詞+助動詞ではなく動詞1単語となり、活用は下一段活用となる

補助動詞

本来の意味を失い、他の動詞について補助的に用いられる動詞を補助動詞という。

例:置いて+ある、やって+しまう、お教え+くださる、ついて+いく、置いて+ある

②形容詞

活用表

う、た、ない、なる、○、とき、ば、○。おぼえなくてよい。

音便

現代の標準語ではあまり見かけないが、形容詞にも音便がある。用法はとても限られている。

ウ音便

よく存じております → よう存じております
美しくございます → 美しうございます(美しゅうございます)

古い文ではよくみかける(近くよれ→近うよれ、激しくなります→激しうなります)が、現代では関西弁や旅館の女将さんの言葉くらいでしか聞かないように思う。

補助形容詞

補助動詞と同様に本来の意味を失い、他の形容詞・形容動詞について補助的に用いられる形容詞。

例:美しく+ない、して+ほしい


余談だが、「欲しい」は形容詞である。英語だと「want」は動詞だし、これはなんだか不思議な気がする。もちろん「欲する」という動詞はあるが、あまり一般的でない。なにかを求める動作として捉えるか、求めている状態と捉えるかの違いである。前者は瞬間的、後者は継続的なものだ。そういえば英語では「like」や「hate」など、ingをつけて進行形にすることが一般的でない動詞がある。もともとが状態を表しているからだ。「wanting」もあまり聞かない。やはり、イギリス人も「want」を単純な動作とは捉えていないようだ。(そういえば、「好きだ」という形容動詞はよく使うが「好む」という動詞はあまり日常的に使わない)

余談が長くなってしまうが、「欲しい」も「欲する」も「欲る」という動詞が元だそう(大辞林第三版より)。元は動詞だった言葉が主に形容詞として使われるようになるあたり、日本人の感覚を考察するひとつのヒントとなるのではないか。

複合形容詞

複数単語を合わせてひとつの形容詞とする。1単語として扱う。

例:青+白い、書き+やすい、か+細い、素+早い、男+らしい、ほこり+(っ)ぽい

「ない」の識別

「ない」という言葉は、形容詞のほか助動詞にも存在する。
「ぬ」に置き換えて意味が通るで見分けることができる。

例:知らない → 知らぬ ○  ⇒ 助動詞
  意味がない → 意味がぬ ×  ⇒ 形容詞


ただ、「いない」「しない」の「ない」は助動詞である。
 ▷「いぬ」でもまあ通じるといえば通じる。「いる」とほぼ同意の「おる」について、「おらぬ」が成立することで納得しよう。
 ▷「しぬ」は全く通じないが、ほぼ同意の「せぬ」が成立することで理解しよう。

名詞化

形容詞に「さ」「み」をつけると名詞化できる。

例:美しい → 美しさ
  楽しい → 楽しみ


形容動詞においても同様。

連体詞化

形容詞に「な」をつけると連体詞化する。

例:大きい → 大きな


これは連体詞であって、形容動詞ではないことに注意が必要。
語尾の「な」を「だ」に置き換えてみると確かめられる

例:大きな → 大きだ ×  ⇒ 連体詞
例:きれいな → きれいだ ○  ⇒ 形容動詞

③形容動詞

まず断っておきたいのが、「形容動詞」という品詞の存在は意見の割れるものだということ。役割でいえば形容詞と全く同じで、形が違うだけなのだ。
しかし形が違うということはなにか意味があるのかもしれない。そのあたりの議論は日本語学者に任せるとして、ここでは形容詞とは別の品詞として形容動詞を扱う。なお、学習指導要領におけるスタンスも本記事と同様、よって現状こちらがメジャーな見方となっている。

活用表

う、た、ない、なる、○、とき、ば、○。おぼえなくてよい。

不規則活用

連体形において活用語尾を省き、語幹のみとなる語がある。

例:こそあど言葉の「こんなだ」「そんなだ」「あんなだ」「どんなだ」:
  こんなな本 → こんな本

  「同じだ」:同じな本 → 同じ本

名詞化

形容詞同様、形容動詞に「さ」「み」をつけると名詞化できる。

例:静かだ → 静かさ
  温かだ → 温かみ

形容動詞の合成

名詞などに「的」をつけることで、形容動詞を合成できる。

例:健康的、積極的

④名詞

なんとなくわかると思うので、さらっと読み流してくれればよい。

通名

普通の名詞

固有名詞

はてなブログ、など。人名も。

数詞

一、三つ、六個、第二、など。単位まで含める。

形式名詞

単体で意味をもたず、連体修飾語(形容詞、形容動詞、連体詞)がつくことで意味をもつもの。

例:もの、ため、とき、まま、うち、ところ

複合名詞

複数の単語が合わさり1単語となったもの。1単語なので注意。

例:黒板消し(黒板+消し)、別れ道(別れ+道)、お菓子(お+菓子)、近代化(近代+化)

転成名詞

名詞以外の言葉が名詞化したもの

例:答える →答え
  話す → 話
  笑う → 笑い
  遠い → 遠く
  赤い → 赤

このほか、上で扱った形容詞・形容動詞の名詞化もここにあてはまる。
  

代名詞

人称代名詞

例:私、あなた、かれ、誰

指示代名詞

例:これ、そこ、どちら

⑤連体詞

連体修飾語(体言=名詞を修飾する語)のうち、形容詞・形容動詞でないもの。

例:この、大きな、ある、たいした

形容詞の連体詞化

形容詞の件で扱ったが、形容詞から連体詞化することがある。

⑥副詞

連用修飾語(用言=動詞・形容詞・形容動詞を修飾する語)。
英語でいえばslowlyとかgenerally、mainlyなんかにあたる。

体言を修飾する場合

場所・方向・時間・数量を表す体現の文節を修飾することがある。
まあ、へぇくらいに思っておけばよい。

他の副詞を修飾

副詞はほかの副詞を修飾できる。

例:とても(副)+ゆっくりと(副)

呼応(陳述、叙述)の副詞

用いた場合、決まった表現をよびだすもの。

例:どうして(→〜か/のだろう)、おそらく(→〜だろう)、たとえ(→〜ても)、決して(→〜ない)、まるで(→〜よう)、まさか(→〜まい)

(必ずカッコ内の表現が呼ばれるわけではない)

⑦接続詞

読解においては非常に重要。だがここで接続詞の分類や例を覚えることにそこまでの意義はないと思うので、軽く流し読みしてほしい。

順接

例:だから、すると、そこで

逆説

例:しかし、ところが

並列

例:また、ならびに

添加

例:さらに、しかも

選択

例:あるいは、または

転換

例:さて、ところで、では

説明

例:つまり

感動詞

思わず口からもれてしまう声、+挨拶。

例:わあ、おい、よいしょ
挨拶:はい、いいえ、こんにちは

⑨助動詞

英語と違い、用言だけでなく体言も修飾する

助動詞は重要なので、別の機会に独立して取り上げる。

⑩助詞

雑にいってしまえば、「その他の品詞」。正体のよくわからないひらがなはだいたい助詞。

分類があるが、重要なのは格助詞

格助詞

英語では「I」「my」「me」「mine」と活用によって格を識別するが、日本語ではこの役割を格助詞が担う。
日本語の特徴は自由な語順だが、これを支えているのが格助詞だ。

例文1:私パン食堂食べる。

上の例文において太字が格助詞だ。「彼のパンを」のかたまりは分解できないが、他は自由に分解して語順(厳密に言えば文節順)を入れ替えても問題がない。

例文2:食堂パン食べる。


つまり、格助詞によって(主に)体言に格(主格、所有格、目的格など)を与えることで、単語の位置で格を判断する英語と異なり、語順が制約を受けずにすんでいる。

格助詞の一覧

格助詞は全て覚えてしまった方がよい。

で、と、が、を、に、の、へ、や、から、より

覚え方は、「デートが鬼の部屋からより」である。

接続助詞

例:ながら、ても、けれど

副助詞

意味(ニュアンス)を付け加える。
例:ばかり、まで、くらい

終助詞

例:行きたい+、もう着いた+かしら

品詞分類表

品詞分類表は空で書けるようになったほうがよい。